4日目の研修の午前のテーマは”keep thinking outside box(常に発想を変えて考える)” で、身体を使ったグループアクティビティから始まりました。A3サイズの紙の上に「8人全員乗れるか(紙以外の床部分に足を乗せてはいけない)」という課題でしたが、1人、2人、・・・4人まではうまくいってもそれ以上はうまくいきません。結局女子の1グループが、紙を8等分にカットし、8人全員が片足で紙片の上に立つことで成功。
振り返りでは「1枚の紙の上にバランスをとって乗れる人数を増やす発想しかなかった」「紙をカットしては?とは思ったが他グループに先を越された」「隣のグループを観察してヒントにすればよかったのに自分たちでばかり考えていたので思いつけなかった」と次々に「反省」が出てきました。
今回の午前の授業のメッセージは"don’t keep repeating(繰り返しをやめる)””question assumptions(仮説を疑ってみる)”、”challenge many ideas(いろいろ試してみる)”、” learn from others(他者から学ぶ)"というものでした。生徒たちにとってこれは昨日のPanasonic でも教えていただいた、イノベーションを起こすことの重要性と繋がったようです。
午後はSt Mary’s College の准教授であるMakino Imamura氏のコミュニケーション論の講義でした。「コミュニケーションとは何か」「人はなぜコミュニケーションを必要とするのか」「異文化コミュニケーションを学ぶ必要性」・・・専門性の高さも、話される英語の速さも、海外の大学に近いレベルで体験できたと思います。今の時代にふさわしく、ペアワークやアクティビティを通して考えさせるもので、難しいながらも充実した内容でした。
コミュニケーション論の知識がある程度備わっている大人でやっと理解できると思われたこの講義も、驚くべきことに生徒たちは実によく積極的に参加していました。午後の研修で、「楽しい。これがやりたかった」と自信がついた生徒も、「やばいやばい。文系理系の専門以前に英語が聞き取れない」と必死に休み時間に辞書をひいていたり、先生に質問に行っていた生徒も、海外で大学の講義を受けることがどのようなものか体感できたと思います。講義後には大学院からずっとアメリカで研究を続け、現在もSt Mary’s で教鞭をとっている日本人であるImamura氏に「アメリカに行って初めの1年で一番辛かったことは」「どうしてアメリカで仕事をする決心をしたのか」というおそらく自分の将来の参考にしようと思われる質問も見られ、白熱した雰囲気が続きました。
実習や講義、インストラクターとのやりとりを通して、渡航前研修では「周りのメンバーみたいに英語が聞き取れません。出てきません。」と言っていた生徒たちもいつのまにか英語と笑顔と自分の意見がどんどん出てきています。どの研修も一方的な講義ではなく、大手前生の発言や質問が絶えずあります。そして「あなたは〜と言いましたが」との前置きも忘れません。アメリカ研修を目標にしてきた大手前2年生20名、素晴らしいです。
本日は1日 St Mary’s College での研修でしたので、食堂の写真も一緒にお届けします。軽い風邪をひいたり、疲れが出た生徒もいますがおおむね元気です。