SSH

スーパーサイエンスハイスクール

将来、国際社会で活躍するために
必要な資質・能力を身につけます。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は未来を担う科学技術系人材を育てることをねらいとして、理数教育の充実を図る取組みです。また、本校では、文理学科を中心に、これからのグローバル社会をリードする人材を育成することを目的にして、自然科学、人文社会、国際の系統学習や問題発見とその解決能力の育成などをめざしています。

学ぶ意義の確認、学習意欲の向上、最先端知識の習得、進路選択、そして大学への学びの架け橋として、大きな効果があります。

01基礎から発展までを独自のカリキュラムで学ぶ

本校では、SS数学、SS理科(物理・化学・生物・地学)などの科目を設定し、基礎から応用そして発展(国の定めを超えた大学レベルの内容)までを、半期毎に系統的に学ぶスタイルを取り入れています。

実験・実習を重視

化学、生物を中心に理科の授業では、実験・実習を数多く取り入れています。

例:2年化学では、1クラスあたり1年間で13~14時間程度。
実験や実習などを通して、学んだ知識を実感し、内容を確実に身につけるとともに、知識の統合、学習意欲の向上につなげています。

課題研究活動

1年前期から3年前期まで、2年半にわたり、以下の表にある課題研究活動に取り組みます。

課題研究活動 信念(まこと) 理想(のぞみ) サイエンス探究
時期 1年 2年 前期 2年 後期~3年 前期
つけたい能力

伸ばしたい能力
・言語能力
・表現力(日本語・英語)
・プレゼンテーション能力
・論理的思考力
・数学的思考力
・高校学習範囲を超え、研究活動する数学的好奇心
・総合的な学力
・課題研究力
・社会貢献意識
内容 ① 日本語による表現力向上プログラム
・1分間スピーチ
・ディベート
・論文作成② 英語運用能力向上プログラム
・グループで情報収集
・英語でのプレゼンテーション
・質疑応答
① 数学課題研究
・数学に関する1人1テーマの研究(グループ内発表)
・数学に関するグループ研究(校内発表)⇒数学生徒研究発表会(マスフェスタ)で発表② 統計・推測・分析
・研究に際して、必須となる統計的推測や分析手法を学ぶ
スーパーサイエンス探究(理系サイエンス探究)
理系をテーマにしたグループ研究活動
自然科学系:物理、化学、生物、地学、数学、情報 ソーシャルサイエンス探究(文系サイエンス探究)
文系をテーマにした研究活動
人文社会国際系:言語、歴史、地域、文化、心理学、社会科学

02取組みのようす

全国SSH生徒研究発表会

毎年8月に全国のスーパーサイエンスハイスクールが一同に会し、課題研究の発表会が開かれます。
本校も校内予選を勝ち抜いたグループが発表します。過去に、JST理事長賞(2010年)、ポスターセッション賞(2008年、2011年)、物理・数学部門奨励賞(2016)などを受賞しています。

サイエンス探究発表会

1年間、各グループが研究した成果を発表する校内発表会。
毎年、物理・化学・生物・地学・数学・情報などの分野で、約40テーマの発表があります。
「まこと」「のぞみ」「サイエンス探究」、そして大手前高校の総合学習の集大成であり、身近な課題をテーマにしたものから、大学の専門分野に迫る研究まで、バラエティに富んだ発表が数多く見られます。

この発表会を経て、全国SSH生徒研究発表会に出場グループが決定します。

大阪サイエンスデイ

大阪府教育庁が主催する大阪版のSSH生徒研究発表会。大阪府内の国・公・私立のSSHが集まって課題研究の発表会を行います。
本校は、大阪サイエンスデイの第1回目から参加、オリジナル5(北野・天王寺・大手前・住吉・泉北)の1校です。

毎年、京都大学から講師を招いての講演会や、SSH校以外も参加するポスター発表など、「理数系好き」が集まる丸1日「サイエンスデイ」となります。

東京研修 (集中講座Ⅰ)

本校の1年生希望者約40人が参加する研修旅行。

東京大学や東京医科歯科大学、TWIns(先端生命医科学センター)、筑波宇宙センター、国立天文台など、首都圏ならではの大学・研究施設等で、第一線で活躍している教授・研究者から講義を受けます。

参加生徒は、科学への興味・関心を高め、今後の、SSH科目や「まこと」「のぞみ」「サイエンス探究」などの課題研究科目に向かう態度がより積極的になものになります。

サマースクール (集中講座Ⅱ)

2年文理学科全員が参加します。
場所は京都大学。SSH科目前半のまとめとして、数学に関する課題研究の発表会を行います。

これまで学んだ知識やスキルを統合し、数学の学習意欲の向上に大きく役立っています。また、午後からは、京都大学の研究室を見学し、教授等から講義を受け、最先端の研究に触れ、意欲・関心が大きく高まります。

高校生国際科学会議

大手前高校が主催する国際会議。将来の国際会議参加を見据えて、アジアの同世代の若者が一堂に会し、環境、エネルギーをテーマに研究発表、議論を深め、共同宣言を行うイベント。
3年に一度開催しており、中国(上海、北京)、韓国、タイの4つの高校を招聘しています。

オールイングリッシュで発表、質問、議論を行うもので、グローバルな視点で今日的な課題を深く考える、まさにグローバルリーダーとしての資質能力の向上に役立っています。

SSH講演会

京都大学や大阪大学をはじめ、たくさんの大学の教授等から特別講義を受ける機会が用意されています。

《 過去の講演(抜粋) 》
「理系をめざす高校生たちへ~科学するこころとは~」(小柴昌俊先生)
「再生医療の最先端技術」(京都大学 田端泰彦先生)
「地球環境とエネルギー」(近畿大学理工学部 渥美寿雄先生)
「統計入門講座」(大阪府立大学 林利治先生)
「国際社会と日本」(Financial Times Mure Dickie先生)
「薬が効かない微生物」(京都大学 五味 良太先生)

スーパーサイエインスハイスクールその他の事業

大手前高校は、SSH の事業として「数学分野に特化 した能力開発プログラムの共同開発研究」を行っています。
具体的には全国のSSH校と連携して数学共同研究会を立ち上げ、「全国数学生徒研究発表会(マスフェスタ)」「数学探究教室(数リンピック)」「小中高生への数学アクティビティ講座(マスキャンプ)」など、生徒の数学的興味関心を高める取組みを行っています。

全国数学生徒研究発表会 (マスフェスタ)

数学をテーマにした課題研究の全国発表会。
大学研究に迫る専門的な発表から、身近な事象を高校生の視点で数学的に捉えた発表まで、バラエティに富んでおり、近年は、高校生だけでなく、中学生、大学生、大学院生、若手研究者などの発表も加えています。

平成28年度の「第8回マスフェスタ」は京都大学百周年時計台記念館で全国62校が参加しました。

数学探究教室 (数リンピック)

数学に対して意欲・関心が非常に高い生徒を対象に、数学オリンピックの問題から精選し、添削指導、口頭指導を行っています。

本校以外の府立高校からも参加しており、解答の中には、高校生ならではの柔軟な発想・アイデアも見うけられます。
興味・関心、学習意欲をさらに高める生徒が数多くいます。

小中高生への数学アクティビティ講座 (マスキャンプ)

2泊3日での宿泊行事。中学生と高校生が参加し、問題解決のプロセスを重視した、数学教育の新しい試みを行っています。

「Fun Thinking Friendship」がマスキャンプの合い言葉。
中学生と高校生との数学に関するディスカッションもあり、互いに刺激を高めています。
また、海外からの指導者による英語でのアクティビティ、本校や連携校の教諭などによる講義など、世界で共通するハイレベルな数学課題にチャレンジしたり、数学の楽しさを伝えています。